スピンオフ

ボードゲームを売ってみよう

千本ノック 13球目 もしボードゲーム【クアルト】を売るならば

フランス Gigamic社製 ボードゲーム【Quarto!】
お譲りいたします。未開封・美品
出品者:25歳 女性(金融)
出品額:5,000円~

口上スタイル:求めていた物とチガウ

人には人それぞれの価値観がある様です。
出品理由は様々。え?そんな事で?という物もあります。

【商品説明】

人にはあまり理解されない話なんですが…。

私はこの、フランス Gigamic社製のボードゲーム
Ouarto!(クアルト)をとても愛しています。

でも、先日まで付き合っていた彼に
愛し方を間違っている
と言われました。

彼とは別れました。

世の中には将棋・チェス・囲碁・バックギャモン etc…
様々な有名所のボードゲームが認知されていながら

このクアルト面白さ、奥深さが、
ぜんぜん世間に広まらないのはおかしい!

と、私は常々思っています。

まだご存知ない方に説明して差し上げますと。
クアルトとは老若男女楽しめる非常にシンプルなゲームです。
○✕ゲームにもう少し複雑な要素を盛り込んだ感じ
というと分かりやすいかもしれません。

持ち駒には色・高さ・形・穴の有無という4種類の属性があり、
対面するプレイヤー同士が、交互に駒を配置していきます。
4×4。16個のマスの内、直線で4マスを同じ属性で埋めれば勝ち。

4マス同じ属性の駒で埋めることが出来たら
『クアルト!』と声高に勝利を宣言しましょう。

と、ざっと説明いたしますと そういうゲームです。

特筆すべきは、もう一つのルール。
次に置く駒は、相手プレイヤーが決めるというのが
このクアルトというゲームの、他には無い面白いところです。

私はこのクアルトを愛すばかりに、
世界各国で販売されているGigamic社製のクアルトを収集し始めました。

駒とボードも天然木が使用されており、
その木目、年輪が何よりも美しい。

ひと駒ひと駒。そしてシックに色付けされた盤面。
それぞれに頬ずりするところから
私の日々のルーチンが始まるくらいです。

実際に開封して木目を楽しむ用。
そして箱を開封せず、パッケージを鑑賞して楽しむ用。

箱にもいくつかのバリエーションがあり、
最低でも2つはあちこちで買い揃えました。

さて。
そこで今回出品するこの商品なのですが…
泣く泣くです。本当は手放したくはない。

これはフランス旅行に行った友人A子に頼んだ商品なんですが。

ご丁寧に値札が剥がされていたんです。

愕然としました。

ワナワナと震えながら『何で?』とA子に問うと、
『いやいや、普通プレゼントする物は値札取るでしょ』
とあっさり言いました。

私は…仕事柄なのでしょうか?
私にとっては値札にこそまた価値がある物で。

その土地。その時期。どんなレートに基づいていくらで売られていたのか?
その土地の風を値札の香りで楽しむ。
ハンドラベラーの印字の香りです。
これがパリの風。これがシャンゼリゼ。
と、今回もそれを感じたかったのです。

値札がない商品。
その土地で売られていたという事、
それがもう証明できないものは、
遺憾ですが、価値が半減してしまう様に私には思えるのです。

その後、お察しの通り。
A子とは仲違いしてしまいました。
そんな事ならば最初から言って欲しいと。
確かにごもっともな事ではありますが。

更には、

仕方ないけどオークションにでも出すしかない。

いや、つい口が滑ったなとは思いましたが、
ふと言ってしまったその言葉が決定打となりました。

その話を彼にすると、

ひどいやつだな。君は。

そう言われました。

遅かれ早かれだったのです。彼との破局は。
この程度で壊れてしまう関係ならば、さっさと壊してしまった方がいい。
私はそう思いました。

私はクアルトを愛してます。

傍から見れば、私は偏愛・異常愛者に属するのかもしれません。
でも、私のクアルトへの愛を少しでも世界の皆様に分けてあげたい。
これからはそうして生きていく事に決めました。

…もうGigamicに転職しようかな?

値札がなくて申し訳ありませんが…
クアルトの良さを理解してくれたあなたに。このクアルトをお譲りいたします。

クアルト紹介動画

値札以外は申し分のない商品という事が、とても良く伝わりました。
そう、値札以外は…。
大丈夫。きっと売れるでしょう。